家庭でする拡充学習の流れ フローチャートの試作
拡充学習を家庭でどうやってしたらいいか、うまく説明するにはどうしたらいいかとおもっていたのですが、流れをフローチャートで書いたらどうかと思い作ってみました。
レンズーリのSEM(全校拡充モデル)をベースに、家庭で親が行えるようなかたちにするにはどうしたらいいか検討し、アレンジを加えています。
自分なりにレンズーリの本からエッセンスを汲み取ってまとめているつもりですが、学校向けに考案されたものを家庭で行うためには、どうしてもわたしの独自の解釈や考えで組み立てている部分が入るので、オリジナルから少し変更が加わっていることをご了承ください。
拡充学習全体を通しての基本的な考え
大人も子供も喜びをもって活動する。
喜びから自主的に動いていく力が生まれる。
積極的にこうしたい、という希望やアイディアが出てくる。
そこから創造的な活動も展開する。
やりたいことのために、新しい知識や技能を積極的に学ぶ。
困難にあたっても最後までやりきる力が生まれる。
活動のあとは自分で振り返って修正していく。
そのためにはその子の能力、興味、学習スタイル、思考スタイル、表現スタイルに合わせながら、その時どきの「これがやりたい!」「これが楽しい!」という気持ちに合わせて活動内容を調整していくことが大切。
家庭で行う拡充学習の流れ
STEP 0 :個性、才能の芽を見つける段階
大人がこどもの話しを聞く。こどもが発信しているものを受信する。
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STEP 1 :探索活動の段階
これかな? これおもしろそう、と思った活動をあれこれ試す。遊ぶ、たわむれる。
→こどもの興味にヒットすると何回も同じことをする、楽しむ、フロー状態になることも。
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STEP 2 :かたちにする、そのために知識やスキルを学ぶ段階
(継続的な興味を発展させる)
調べる、新しい知識や技能を学ぶ、まとめる、制作する、表現する。
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STEP 3 : 伝える、発表する、表現する段階
活動の結果をより大きい場に表現する。発表する。知ってもらう。他のこどもたちに発表するのもよいが、実社会につながるのが一番よい。劇や音楽の発表でもよいし、コンテストなどを利用するのもよい。
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GOAL :創造的生産者を育てる
消費するだけではなく、創造的で生産的な才能ある人材を育てることがゴール。
ひとまずこんな感じで、流れをつかめると少しわかりやすくなるかと書いてみたのですが。図表が使いこなせずテキストベースになってしまったのが想定外。
これからまた修正したりしてよりわかりやすくしたいです。
ご意見お待ちしております。
虹色教室のこちらの記事を合わせて読んでいただくとよりイメージがわくかもしれません。特に後半の虹色教室での実践例が参考になります。
また今後のアイディアとしてはこどもの活動内容を書き留めるフォーマットのようなものがあったら、記録ができて、後からこどもの興味をひいた活動をまとまって振り返ることができるかなとか、それが継続的な興味や才能の方向をつかむのに役立つかなとおもっています。
低学年向けの読み物
小1の上の子が、ひとりで本を読み始めたところなのですが、最近はまっている読み物をいくつか紹介します。
海賊ポケットシリーズ
これは以前にも紹介したことがあります。「おしゃべりなたまごやき」で知られる寺村輝夫さんの作品で、おもしろくかつ質のいい児童文学としておすすめです。
どこかおっとりとした展開、ほんわかした挿絵、寺村さんお得意のユーモアあふれる語り口で楽しく読めます。シリーズで続いていくので気に入ったらどんどん読み進められますね。
キャベたま探偵シリーズ
キャベたまたんてい なぞのゆうかいじけん (新・ともだちぶんこ)
- 作者: 三田村信行,宮本えつよし
- 出版社/メーカー: 金の星社
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
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これは図書館でたまたまみつけたのですが、よみやすく、展開もイラストもマンガ的とはいえ、物語としてよくできている印象です。
怪傑ゾロリシリーズ
かいけつゾロリのドラゴンたいじ (1) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の小さな童話)
- 作者: 原ゆたか
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1987/11
- メディア: 単行本
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これはもうわたしがいうまでもなく大人気なのでみなさんご存知かとおもいます。親視点からすると、これって本? ほぼマンガじゃない? とおもったりしますけど。まあ、いまの時点では本っておもしろい、ひとりで本を読むのって楽しいとおもってもらうのが大事だとおもっているので本人が気に入っていればいいかとおもっています。
学習まんが人物館シリーズ
これはこどもが学校の図書の時間に借りてきたものです。お友達に教えてもらったとか。伝記をマンガにしてあって読みやすく偉人の伝記に触れられます。これはもう本ではなくマンガですね。伝記ものはいままで興味を示したことがなかったのですが、これは読んでいるのでこういう内容に親しみを持つにはいいかなと。わりと考証をしっかりとして史実に忠実に作っている印象です。
いまのところうちの子は女性の伝記に興味をもって読んでいます。
ちなみにこのマルガレーテ・シュタイフさんという方は、シュタイフというドイツのテディベアで有名なぬいぐるみメーカーの創業者です。小さい頃ポリオで足が不自由になり生涯車椅子で過ごしたそうです。姉妹で裁縫を請け負って生計をたてていたのですが、ふとしたきっかけで当時珍しかったぬいぐるみ作りを始めたのだそうです。
マンガは確かにおもしろいし、わたしも好きですが、本の豊かな世界をぜひ存分に味わってほしいなとも思ったり。
図書館に家族で行って自分の好きな本をたくさん選んで借りてくる、という楽しみ方ができるようになってきたので、続けていきたいです。
あと、うちではわたしが読み聞かせが好きなので夜寝る前や朝起きた時に絵本など読んでいます。ひとりで読めるようになっても、読み聞かせしてもらうのはまた別の喜びがあるみたいですね。
拡充学習のアイディアー折り紙から発展する遊び
コメントでワーキングマザーさんが書いてくださったエピソードです。
拡充学習のアイディアとしてとてもよいとおもったので紹介させていただきますね。
先日、こどもが保育園の友だちにキラキラの折り紙をもらってきました。友だちにもらったのがうれしくて、私に見せてくれたのですが、適当に4つに折り畳まれた折り紙でした。その中に、銅メダル色の折り紙があったので、ふと虹色教室のブログを思いだして、上の子がもっていたメダルを型にしてみようと思いつき、ごしごししていました。意外にはっきりと写らないので、精をだしてごしごししていると、そのようすをみていた、人と関わるのがすきな子が、自分もしたいと言い出して、楽しく一緒にごしごししました。すると本物らしさがすきな子が丸い形に切り取りました。また、実験好きな子が、別のアルミ折り紙を持ってきてメダルの上に置いて、その上に重しを置いて写るか実験していました。
拡充学習的にまとめると
キラキラ折り紙をきっかけに親子で遊んでみた。そこで親もやりたいことを実験してみた。親が楽しく遊んでいるのを見て、こどもたちはそれぞれの個性や興味のおもむくままに遊びを発展させた。
という感じだとおもいます。ちょっとした遊びのようなことから、発展していくのが拡充学習なので、探索的活動として素晴らしいとおもいます。お子さんが3人いらっしゃるので、他の子の活動も刺激になりとてもいい環境だとおもいます。
また親が率先して楽しむ、こどもも一緒に楽しむ、ということがすばらしいですね。
こうした活動をたくさんしているうちに、それぞれの興味に沿って継続的に探求するテーマがでてきて、より大きな、複雑な遊びに発展し、それがかたちにまとまることもあるし、もしかしたら発表できることもあるかもしれません。
でもこうした活動それ自体も意味のあるものです。まずはこういった活動を気軽にしていけるといいですね。日頃からちょこちょことしていけば、そのうちに発展していくこともあるとおもいます。こうして楽しく興味を追求していく遊びのような学びのような活動って親子の宝物ですね。
こんな感じの、何気ないことがきっかけで、子どもの興味につながることが日常的にあるのが目標です。子どもの何かをきっかけに、ちょっとしたアイデアを出して、そこからどのように発展するかは、こどもたちにまかせるのが目標です。
でもそのために、子どもが折り紙を見せてくれるような、そういう関わりが一番大切だと考えています。
そして、もう一つ、私の中に、たくさんの簡単アイデアをストックしておく必要があると考えています。でも私は飲み込みが悪いので、とっても簡単な、小さな子がするようなものが良いのです。みる、きる、おる、さわる、見立てる、入れる、出す、つなげるなど、作業がワンステップで完結するような、シンプルなアイデアをたくさんストックしておきたいのです。雲をみるだけとか、折り紙をきるだけで面白い何かがあるというアイデアです。シンプルであればあるほど、私は応用が利きますし、その後の子どもの発展も、その子らしさにつながると思いますので
こうした活動をするためには日頃のこどもとの関わりが大切、ということ、とても共感します。また普段からシンプルなアイディアをストックしておくという工夫、やってみたいですね。
ワーキングマザーさん、ありがとうございます!!
拡充学習のアイディアーゲーム作り
あまり構えると書きづらくなるので、本当にささいなアイディアなのですが書き留めておこうとおもいます。
最近我が家では「レシピ」というゲームが人気です。5歳の下の子も遊べるし、上の子も楽しめるので。
ルールは単純で、それぞれ一枚レシピカードをひくと、お料理の名前と必要な具材6種類が書いてあります。絵も描いてあるので文字がよめなくてもわかります。
それから配られた具材カードを見て、必要なものがあるか見て、足りないものを集めていきます。
うちのこどもたちはこのゲームがあんまり楽しくて最近しょっちゅうやっているのですが、もうだいたいレシピも必要な具材も覚えてきたのですね。
そこで上の子がひとこと「あーあースイーツのレシピ(のゲーム)もあるといいのに」。
そこですかさず「それいい考えだね!やりたいやりたい!」最後にダメ押しで「作って!」とお願いすると「じゃあ作る!」と作り出しました。
コピー紙を切ってカードをたくさん作ります。まずはレシピから考えます。
ホットケーキとかパフェとか。
必要な具材も6種類考えてレシピカードに書き込みます。オリジナルのアイディアとして「道具」カードもそろえる、ということにしました。
ゲームの進行上ああした方がいいんじゃないとかいろいろ口をはさみたくなりますが、我慢我慢。自分で失敗して学べることは大きいですからね。
きょうはそのへんで時間切れでしたが、自分でゲームを作る拡充学習もありだな、とおもいました。
拡充学習のモデルにあてはめると、まずレシピのゲームをとことん遊んだ部分がタイプ1の探索活動、自分でゲーム作りに取り組んだところはタイプ2の制作活動になるでしょうか。
↓こちらの虹色教室の記事に詳しく紹介されています。
その辺の流れがわかりにくいとおもうので、フローチャートの図を作ろうといま準備中です。
ちなみに先日記事に書いた、上の子考案のキャラ「ぷにっと3兄妹」ですが、本人お話を作るのが楽しくなったらしく、いくつかエピソードを作っていました。なので絵本作り、漫画本作りの方向に発展していくかもしれませんね。
拡充学習の例/拡充学習とミニコースの違い
拡充学習とミニコースの違い、というのがレンズーリの本で強調されていたので、大事な部分なので書いてみたいとおもいます。
ミニコースというのは例えば特別プロジェクトのようなことをイメージしていただければいいと思います。
ちなみに拡充学習の例として本であげられているのは次のようなことです。
◯ 新聞の発行( 編集者、レイアウト、記者、特別記事の筆者、スポーツ記者、広告部長、漫画家、などの役割が考えられる)
◯ 休日コンサートの実施(ダンス、セットデザイン、演劇のグループの合同で行う)
◯フライトスクール(飛行の力学を調べる、空港に見学にいく、実際のパイロットに話しを聞く)
◯発明大会
プロジェクトっぽい感じですよね。同じ内容でミニコースとしてやっているところはたぶんあるとおもいます。
ただ、レンズーリはミニコースと拡充学習は全然違うのだ、といっています。
どこが違うのかというと、ミニコースではカリキュラムが決まっていて、最終的な着地点も決まっていますが、拡充学習では違うのです。
とにかく、学習者及び指導者の興味、やりたいことに徹底的にあわせていきます。学習者が自主的に方向を決めることができます。楽しくやることが大事というのはそういう意味です。
これが楽しい、という方向に向けて指導者の方はきめ細かく軌道修正していくので、最終的にどこに向かうのかは、その時にならないとわかりません。
ミニコースは拡充クラスターとはかなりちがう。拡充クラスターとミニコースには、いくつか大きな違いがある。ミニコースはふつう、前もってきまったカリキュラムや内容があって、教師主導の探索的経験を与える。一方拡充クラスターは、子どもや拡充クラスター担当者の興味によって進行する。子どもと教師はいっしょに拡充クラスターの方向、重点、成果、および発表場所や発表相手を決定する。カリキュラムと授業計画は。拡充クラスターにはまったく存在しない。むしろ、子供と教師はいっしょにクラスターの学習経験の方向や目標、結果を決定する。成果を重視するので、結果は子供にとって有意義で、興味に対処できる。
先日別の記事でも紹介したと思いますが、レンズーリはこういっています。
(拡充学習の4つの原理を紹介した後に)
これらの原理に導かれる学習の最終の目標は、依存的で受動的な学習の代わりに、独立的で積極的に関与する学習を行うことだ。
つまり、教師がきっちり計画をたててそれをやらせるの学習ではなく、教師と子どもたちが一緒になって「これおもしろいね!」と盛り上がって、その中で方向性が決まって、共同で自主的に発展させていく、ということですね。
4つの原理のところでも「楽しむ」要素が大切、と強調しているところからもそれがわかります。またひとりひとりに合わせる、ともいっていますから、子どもの個性を見ないで一律に用意してあるカリキュラムをやらせるようなことは拡充学習ではありえない、ということがわかります。
引用はこちらの本からです。(残念ながら絶版の模様)
図形の知育おもちゃ
最近こどもの知育っぽいことはさっぱりしていませんでしたが、試しに購入してみたおもちゃはこどもも気に入ったみたいです。
指示されたかたちを磁石つきの丸や三角などの図形のパーツを組み合わせて作る遊びです。
7歳の上の子は、わたしと競争でこれをやって最後の問題まで解いて、マグネティックスーパーマインドという上級編の方をやっています。
昨日、おとといくらいからぼちぼちやっているのですが、きょう公園で思い切り遊んでからやったらものすごく熱中していたので、身体をおもいきり動かしてから知育とか問題集とかするのは理にかなっているのだなと実感しました。
普段は少し運動不足気味のうちのこどもたちなので、なにか昼間運動できるよう工夫できるといいなとおもいます。
こどもとの会話とキャラクター作りの拡充学習の例
昨日こどもと話していて、ちょっとおもしろいかもと思ったので記事にしてみます。
ひとつはお話しながら、ブレインストーミングじゃないけど、アイディアをたくさん出す(拡散思考っていうんですかね?)遊びをすると楽しいかも?ということ。
昨日は「納豆と海苔は合うけど、納豆とジャムだと合わないよね?」と話していて、他に納豆に合わないものってなに?と話してジャムは合わないね?ココアは?などとへんな組み合わせについて話したら、こどものへんなものをおもしろがるつぼにはまったらしく盛り上がりました。
くだらない例で申し訳ないんですが、いろんなテーマで普段からこういう会話をしていたら、発想が広がっていいのではないかなとおもいました。くだらないアイディアをばかにしないで数たくさん出すっていうのはブレインストーミングの時などもしますよね?アイディアの質も数に比例するのだと教わった気がします。
もうひとつは、こどもがかわいいキャラクターが好きなのですがその話しをしていて、これって話しをひろげていったら拡充学習のネタになるなあとふとおもったので。
話しはまず、上の子が、ともだちの持っているかわいいマスコットのストラップみたいなおもちゃが欲しいといいだしたこと。まあよくあることなんですけどね。あとでネットでチェックしてみましたが、たしかにかわいいし、ギミックもよくできてるものでした。
ただ、うちは「買ってー」といわれて「いいよ」なんてパターンはまずないのでこどももわかっていってるんでしょうけど。「そうかー欲しいんだ、でも高いかもしれないし、あとで調べてみるね」くらいでその場は流したんです。
で、その後ふとおもいついて「でもさー、こういうのって買う人はお金を払って買うわけだけど、これ考えた人はお金たくさんもらえるよね。どうせなら自分でこういうかわいいキャラクター考える方がいいんじゃない?」といってみました。
こどもは「ふーん」くらいの(またいってるよーと内心思ってるのかも)反応でしたが。
「だってさっき歯ブラシに歯磨き粉の山を三つのっけて。これはぷにっと三兄弟!っていってたじゃない。あれの絵を描いて名前をつけて、それぞれの性格とか考えたら? お友達に見せたらかわいいっていわれて流行っちゃうかもよ?」といったらのってきて「おもしろそー!名前はなにがいいかな。ぷにたろうとぷにきちとあとは…」なんてけっこう楽しんで考えていました。
例えば、この後
イラストを描いてキャラの性格や背景も設定したものをたくさん作って、ともだちに見せたりする
友達同士でキャラクターを作って見せ合いっこする。より本格的にするならプレゼンごっこをして、どれがいいか人気投票するとか。
フェルト手芸やシリコン粘土などで実際に制作してみる
世間のキャラクタービジネスについてどうなっているのか親子で調べてみる
(ライセンス料や商標登録についてなど。そうした会社の人がどうやって仕事をしているか。)
流行っているキャラクターの傾向について調べる、まわりのお友達に調査する
調べたことを自由研究などで発表するのもよい
これだというものができたらコンテストに応募したりする
みたいな活動が考えられますね。
ふと思いついて書いてみたのでいろいろ穴があるかもしれませんが、ツッコミもお待ちしております。