悩むことも悪くない
上の子はいろいろ気になるタイプで、最近は夜寝る前にひとしきり心にひっかかってることを話すのが日課です。
学校でこんなことがあった、ともだちにこんなこといわれていやだった、などなど。
大体において吐き出せばすっきりするらしく、翌朝は元気に出て行くし、ケンカしていたはずの友達と仲良くなっていたりすることもしばしばです。
昨日もいろいろ話しを聞いていて「こういうときどうしたらいいとおもう?」と聞かれたのですが、わたしもあまりいい考えが浮かびません。
ただ、それぞれの子の気持ちをおもいやってみんながいい気分になる解決策はないか?と心を砕いているわが子を見ていたので、こんなふうに話してみました。
どうしたらいいかはママにはわからないけど、◯◯がそうやっていろいろどうしたらいいかなって考えるのはとってもいいことだとおもうよ。
国語とか算数とかのお勉強をするのも、将来やりたい仕事をするために大事。でも本当にその仕事について働きはじめたら、そういうお勉強よりもっと必要になることがある。
それはいろいろな人がいるところで、みんなが力を合わせて楽しくお仕事を進めていくためにはどうしたらいいか知恵を絞ること。
◯◯がいま、困ったなあどうしたらいいだろうって考えることは、きっと大人になってから役にたつからね。
いいたいことがうまく伝わったかはわからないけど、そうやって考えることはいいこと、役にたつこと、と前向きに捉えることは伝わったようで、うん、と弾んだ声で返事がかえってきました。
かえるの卵
こどものおともだちに生き物大好きな子がいるのですが、その子に「池にかえるの卵いっぱいだよ!ここだよ!」と教えてもらいました。
指差して教えてくれたところを見てみるけど、見慣れないとすぐはわからないですね。
しばらくじーっと目をこらすとだんだん見えてきました。
透明なチューブのようなもの。
ところどころふくらんで中に黒っぽいつぶつぶが見えるところは「あれがおたまじゃくしの素でこれからでてくる!」だそうです。
「あのへんは卵からでてきたのだよ。」
そういわれてみれば黒っぽいつぶつぶがたくさんいます。あれがこれからおたまじゃくしになるのね。
その子のうちでは卵を持って帰って水槽にいれておいたら、たくさんおたまじゃくしがかえったので、卵からつぶつぶが出るところやそのつぶつぶがだんだんおたまじゃくしになるところが間近で見られたのだそうです。(こうなってこうなってと説明してもらったのですがわたしがよく理解できてなくてうまく文章にできません。)
うちでたくさんのカエルを育てたいかといわれると微妙ですが、わたしは小さい頃あまりこういう遊びしていなかったので、いろいろ教えてもらって「へー!」と感心するのはおもしろかったです。
以前かたつむりの赤ちゃんを見つけて葉っぱにのせて持って帰って少し家においておいたことはあるのですが、かたつむりやなめくじは病気を持っている可能性もあるので気をつけた方がいいらしいですね。
下の子の幼稚園では毎年アゲハの幼虫を庭で探して虫かごに入れておいてくれます。さなぎになって蝶になったら放してあげるのですがみんな結構興味を持って見ています。
身近な自然、生き物の観察も拡充学習の種としておもしろいですね。
敏感さと内向性
なんだか日々ばたばたと過ぎていき、なかなか記事を更新できないでいます。
敏感な子に適切なケアをしてあげた場合、どんな大人になっていくんだろう。どんなふうに輝くことができるのだろう?と考えていました。
適切なケアがないと、発達障害の場合のように二次障害的なことが心配されます。
でも適切な対応があれば、敏感さはなくならないけど、困ったかたちではでないだろうし、目立たなくなるとおもいます。
マイコー雑記のマイコさんに教えていただいてスーザン・ケインのサイトや本を読んでいるところです。
このTEDのスピーチが有名ですね。
スーザン・ケインは、現代が外交的な人をもてはやす時代になっているとして、内向的な人の持っている力に着目し、その力を評価し、外交的な人と内向的な人がお互いに認め合い、助け合う新しい時代を作ろうということを訴えています。
また、内向的な人が繊細さや共感の力を使ってリーダーシップをとるとうまくいくケースについても紹介しています。
敏感な人も、こうしたスタイルならリーダーシップをとることができるとイメージがわきました。
とても興味深い主張だし、共感できます。
本はまだ読んでいる途中なのでまた感想をこちらで紹介したいです。
こどもとおばけ
大胆さと繊細さを併せ持つ、下の子のお話です。
日頃「怖いもの知らず」を自称していて、たしかに大胆にあれこれ挑戦する姿がありますが、時々繊細な面を見せることがあります。
いまは寝る前に「ねえねえ泥棒こない?鍵閉めた?窓閉めた?」と聞くのが日課です。なにかの拍子に「ちゃんと鍵閉めないと泥棒が来るよ」という話が心にささったようです。
また、先日お化け屋敷に行き、あまりの怖さに半べそをかいて以来、お化けがこわくなったようです。
そんなある日の会話より。
「ねえねえ、泥棒来ない?忍者も来ない?」の一連の流れの後に「ねえねえお化け来ない?」と聞いてきました。
「うん、来ないよ」と答えると「なんで?」との質問。
これは予想外で何て答えようか内心あせりました。
とっさに「おばけはね、楽しくにこにこ笑ってる人は嫌いなんだって。ここのおうちはみんな楽しいこと大好きでおもしろいことがいっぱいのお家でしょ?だから来ないとおもうよ」と答えました。
すると「そっか! そうだね、ここのお家はおもしろいおうちだよね、くふふ。」といって静かになりました。
その後読み聞かせなどしていたのですが、しばらくしてからこんなことをいいました。
「あのね、もうおばけこわくないよ。もしおばけがきたら、そっちを向いてにこにこって笑いかけるから、だいじょうぶ」
こどもの中の生命力に感動したひとこまでした。
敏感な子が前に進むために必要なこと
マイコー雑記さんで見つけたこんな記事。
いままでわが家でひといちばい敏感な子に対応してきて、さまざまな失敗や試行錯誤の末にこうかな、と探り当てた対応はまさにこれかなとおもいました。
これは去年の夏に書いた記事です。
理論で説明されるとなるほどとおもいます。
わたしは直感と経験だけなので、なんとかはなるのですが、他人に説明するのが難しくて。
とにかく少しずつ成功体験を積ませて、自信をつけることをこころがけていました。それが次の一歩を踏み出すことにつながるかなとおもったので。
やむを得ずちょっと高いハードルを課してしまったこともあるのですが、なんていうか、やはり大事なのは親との信頼関係というか、いくらかんしゃくを起こしても見捨てられない、とか。どんな時もちゃんと話しを聞いてくれるんだ、とか。そういうのがあると時間はかかっても乗り越えられました。
そして、スモールステップでもいいから、きっとあなたは前に進めるよ、できるよ、とこちらが信じてあげることなのかなとおもいます。
そうしてうまく乗り越えた時にこどもは心からエネルギーを爆発させて喜びます。その時親が手助けしたことはふっとんでしまっていて、自分でやったよ!という喜びで満ち溢れています。
いまは2人とも、外からはあまり内気に見えません。特に上の子は小さい頃から人前ではスイッチが入って笑顔でパフォーマンスできるタイプです。あれは不思議です。
ちなみにわたしもどちらかというとHSP傾向ですが、練習、経験、慣れを積み重ねたせいか、人前で話す時に自分ではいくら緊張してあせっていても、他人からはわからないらしく、おちついていたねといわれます。
はみでる才能
上の子がサッカーをやりたいのだそうです。
うちのこどもたちはそんなに運動が不得意でもないと思うのですが、気が乗らないとしない感じで、特に上の子が小学校に上がってから、外での公園遊びをさっぱりしなくなってしまい、週末など公園で遊ぼうといってもいきたがらないことが多く、運動不足が心配でした。確かに小学校に慣れるのにエネルギー使って大変だったのかなともおもうのですが。
夏のプールの様子
秋の走る練習の様子
宿題に苦しむ様子
下の子はなんだかんだいっておままごと遊びがお気に入りですが、最近体を動かすのも好きな様子が感じられます。岩登り、木登り、走る、縄跳びなどやりたがる様子が見られます。
先日はサッカークラブの無料体験のチラシを見て、2人ともいってみたいというのでいってみました。
家の近くの練習場では平日練習しているのでそちらで体験してみては?といわれたのですが、時間的にお迎えや下校時間との兼ね合いで難しそうでした。なので、一回限りかもしれないけどいい運動になるからと休日に家から遠い会場で無料体験に参加しました。
いってみると、ラッキーなことに女性のコーチがいて、うちの子プラス1人と少人数で教えてもらうことができました。コーチはもちろんサッカーはうまいし、ほめるのが上手でうちのこどもたちは楽しくサッカー遊びを堪能して帰って来ました。幼児むけの基礎の動きの遊びで、上の子も上手にできていました。2人とも女性のコーチに教えてもらうのはうれしかったようです。
その日1日だけ、のつもりだったのですが、2人にとってとても楽しかったようで、特に下の子はサッカー行きたい行きたいといっていました。仕方ないので、家の近くの練習を体験させてもらうことにして、行ってきました。上の子はそれほど乗り気じゃありませんでしたが(どんな雰囲気かわからず不安だったのだとおもいます)、まあせっかくだからいってみようよ、嫌なら入らなくていいし、と連れて行きました。
家のそばの練習場で教えてくれるのは男性コーチでした。まず下の子。きょうのコーチもとても褒め上手です。幼稚園児のクラスは、初心者でも基本的な動きのひとつひとつを遊びながら覚えていく内容なので楽しんでできます。下の子は得意そうにやってみせていましたが、ある意味前回と同じだったのでここまでは予想どおりです。
次は上の子の番です。小学生クラスは人数もたくさんいるし、もちろん大半が男の子です。幼稚園クラスほど手取り足取りは教えていません。こちらは見ていてはらはらします。同じ学校の女の子が数人いたのが救いです。
しかし、そこには最近ひさびさに見る目の輝きで必死にみんなについていくわが子の姿が。男子からボールを奪って得意げにする場面も。この子がこんなに楽しそうにスポーツするの見るのは生まれて初めてかも、というくらい。
サッカー楽しいやりたいやりたい!と叫ぶ上の子に嬉しい驚きを感じました。
後で本人にきいてみると、このくらい複雑な方がやる気がでる、だそうです。へえええええ。確かに難しい方が燃えるとか、日頃よくいっているけど...そういうことなの?
これは家族会議をしてやらせてあげる方向で検討しなければ。しばらく様子を見ないと単なる気まぐれかどうか判断できないとしても、運動不足対策にはなるでしょう。
こどもって親の予想を超えてきますね。
たぶん、偶然ですが、一度簡単すぎる幼稚園クラスを体験したのも、よかったんだとおもいます。導入として。
今思うと、楽しさ重視の雰囲気がよかったのかもしれないですね。あとは男子集団の中の少数女子としてサッカーをする自由さみたいなものに反応したのかなと思ったりします。そういうところに鼻がきくところがあるんですよね。
ちなみに下の子は小学生クラスの間待たされていたのが退屈したそうで、もうあそこはいかない!と怒っていました。それも「えー!」ですが(笑)。なので、そのうちやりたいといってくるような気もしましたけど、そのことばは飲み込んで「わかったよ」といっておきました。
追記:後日、下の子も上の子がサッカーに行く日になったら「やっぱり行く!」といってきました。いま2人で通ってます。
「百まいのドレス」
- 作者: エレナエスティス,ルイススロボドキン,Eleanor Estes,Louis Slobodkin,石井桃子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
虹色教室で紹介されていて、ふとこどもと読んでみた本です。
かけ算しているところからして小学2、3年くらいの女の子たちのお話なのですが、心の繊細な移り変わりが手に取るようにわかる素晴らしい描写です。また挿絵も繊細な文章にぴったり合って美しいです。ふわっと描いているところと、子供の表情をしっかり捉えたデッサンで表現しているところと使い分けています。
胸の痛くなるようなこども同士のトラブルがテーマですが、必要以上に煽ることなく落ち着いたトーンで描かれています。
読んだ後に心に残るのは、目には見えない部分の魂の美しさです。
見た目重視の価値観によって否定されているように感じているたくさんのこどもたち、そしてその子たちの魂に秘められた美しさを思います。
また、傷つけながら、傷つきながら大切なことに気がつく主人公の少女もすばらしいです。感受性が強くてたくさん傷ついているこどもに、たくさん傷つくことを恐れずに、そんな自分を否定せずに、それがすばらしい気づきのもとになることを知っていてほしいです。
読んだ後、上の子はとてもいいお話だね。これ好き、と深く味わう表情をしていっていました。それでついどこが好きだった?と聞いてしまったのですが「んー友達げんかのはなしだね。自分だったらいじわるなこといわれたらいいかえすよ。」などといっていました。
わたしが性急に感想を聞いてしまったので、思いをうまくことばにできなかったよう。
こういうお話は読んだ後、しみじみと心のなかで味わったり、折に触れて思い返したりするのがいいんですよね。無粋な対応をしてしまったなと反省しました。