「魂の退社」
これ、おもしろかったです。
朝日新聞社でバリバリ働く女性記者。彼女はなぜ突然アフロヘアになったのか?
それによってなにが変わったのか?
アフロから始まった彼女の中の変化は、お金との付き合い方、電気の使い方、仕事との向き合い方にまで広がり、朝日新聞社という伝統ある大企業で自由に仕事をし、燃え尽き、会社はいらない、という決断をして退社に至るまでの記録。
文章がとても上手で読みやすい。しかも上手なだけじゃなく、血を吐くように自分の底の底までさらけ出して勝負することができる。人気が出るのも当然です。
また、著者の生き方の転換そのものが、現代人にとっては大変興味深いものです。
たくさんものを持つのって実は不自由じゃないか? という問いかけ。
ものを持たない暮らしをしてみたら、楽しかったよ! 自由になったよ! という報告。
が著者の体験から語られます。
また、会社を中心にまわる日本社会や日本経済への鋭い分析がされています。これは大企業を50才で早期退職した人にしか書けないでしょう!
例えばクレジットカードについて。これは会社の互助会的システムではないかと喝破。会社の信用で金を貸す。給料以上消費させる。会社でばんばん働かせて返させる。
ちなみに住宅ローンも同じ仕組みだと指摘。たしかに。
日本に住んでいる大人は一読をおすすめします。読みやすいです。
会社への依存度を下げて、「カネ」と「人事」に振り回されない生き方を、という著者の主張には本当に共感しました。