「チェブラーシカ」
大きな耳のチェブラーシカはすっかり人気者になり、キャラクターはあちこちで目にしますが、元々は ロシアの人形アニメーションです。
<あらすじ>
チェブラーシカはうっかりオレンジの木箱に入ってしまい、南の国からやってきました。耳が大きくてすぐ転んでしまう上に自分でもなんの動物だかわからない。動物園でもなんの動物かわからないからと断られてしまい…。
「ワニのゲーナ」「チェブラーシカ」「シャパクリャク」「チェブラーシカ学校へ行く」と短編が4本入っています。短編だと小さい子でも飽きずに見られるのがいいですね。わが家では3才、4才くらいからこどもに見せていましたが、チェブラーシカのかわいらしさにひかれてか、話の内容はわからなくてもよく見ていました。
昔懐かしい味わいです。制作はだいぶ古く、ロシアでは1969年から83年にかけて公開されたようです。
日本で制作された新作やアニメも出ているようなのですが、わたしはこのオリジナル作品のなんともいえないチェブラーシカの表情、哀愁ただようロシアの音楽やうた、アコーディオンの味わいが好きで、いま見てもすごくいいです。
なんだかいつも自信なさげなチェブラーシカ。お人よしですぐだまされてしまうワニのゲーナ。なんだかぼんやりとしたところがある2人。困った事態になってもゲーナのアコーディオンでうたってやりすごしたりして、かならずしも現代人のようにがんばって解決するわけではないのに、まわりの人のあたたかい気持ちやおもいがけないできごとに助けられて、ほっこりした結末になったり、ならなかったり。
いま流行りのこども向けコンテンツにはない、なにかがあります。チェブラーシカもぱっと見ふしぎなかたちをした生き物なのですが、見ているうちにまっすぐでピュアでぼーっとしているチェブラーシカがかわいく見えてくるのです。いまは少なくなってしまったこどもらしいこどもを体現してるともいえます。
そこはかとない皮肉や風刺も織りまぜられていて、決してこども向けに手加減しているわけじゃないのも好感が持て、こどもも大人も一緒に楽しめます。