「ちいさなろば」
- 作者: ルースエインズワース,酒井信義,Ruth Ainsworth,石井桃子
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2002/11/15
- メディア: 単行本
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クリスマスシーズンに偶然見つけたサンタクロースのお話。
いまどきのクリスマスは、わたしにとって商業主義のギラギラした宣伝合戦に毒される疲れるシーズンですが、この絵本に出会ってほっとしたきもちになりました。
<出版社によるあらすじ>
昼間遊ぶときも夜眠るときもひとりぼっちのちいさなろば。クリスマスイブにプレゼントを配る手伝いをしたろばに、サンタクロースがくれたものは……。心温まる美しい絵本。
ちいさなろばは、昼間遊ぶときも、夜眠るときも、ひとりぼっちです。囲いのなかをぐるぐる走り回っているちいさなろばのところに、二人の女の子がやってきて、「きょうはクリスマスイブだからサンタクロースがプレゼントをくれるの」と話していきました。その夜、鈴の鳴る音で目が覚めたろばの目の前に、トナカイのひくそりに乗ったサンタクロースが現れて、「足を痛めたトナカイの代わりにそりをひくのを手伝ってくれないか」と頼みます。ちいさなろばは張り切ってそりをひきます。プレゼントを配り終わって牧場にもどったろばに、サンタクロースは「あしたの朝、なにかがおまえを待ってるよ」と言います。さて、クリスマスの朝、ちいさなろばを待っていたものは、それはそれはすてきなものでした!
『こすずめのぼうけん』『黒ねこのおきゃくさま』など、子どもの心をとらえるお話の名手、エインズワースの原作が、石井桃子の名訳と酒井信義の格調高い絵で、美しい絵本になりました。
本当に欲しいものってなんだろう。大切なものってなんだろう。クリスマスってプレゼントをもらうための日なの? プレゼントってもしかしたら誰かのために役に立てることかもしれない。
そんなことを考えさせられるお話です。
表紙も単色で渋く、地味なお話だからこどもの反応がどうかなとおもいましたが、いざ読み聞かせてみると、とても引き込まれて聞いていました。こういう時、よい絵本の底力というものを感じます。
賛美歌を聴きたい気持ちになりました。