ただしいぶちのめされ方
子育てに限らず、試される時ってありますよね。人生には。
困ったことが起きたその時、どうしたらいいか、正解はありません。コツもありません。ただしく困る、ただしく悩む、ただしくぶちのめされる、そのくらいではないかとおもいます。
いろいろな試煉がありますが、子育てをしてみて思うのは、子育てで遭遇する試煉というのは、かなりこころの深いところに降りてみて初めて解決したりするものなのだな、ということです。
わたしの人生において自慢できることは皆無です。受験勉強には失敗し、部活でさわやかに汗を流した経験もなし(汗)。人間関係も不器用。でもわたしがいままで悩んだ量を可視化できるとしたら、きっとものすごい量です。その経験の量と質においては少し自信があります。そしてそこで体得してきたことは、子育てで壁にぶつかった時とても役に立つことを発見しました。
わたしがたくさん悩んだり試煉に遭遇してきたことから思う「試煉にぶちあたった時のコツ」といえば、
「だめな自分を受け入れること。もがき苦しむかっこ悪い自分も、情けなくて無様な自分も。」
「うまくやろうと思わないこと。」
「思い切り傷つくこと。」
だと思います。
コツともいえない方法ですが、経験からいって、逆説的にこれが一番早く魂の一番深いところに降りる方法です。現実の世界からまったく違う価値観の場所に行くのは人間にとって怖いことなので、ここで抵抗が起きるのはごくあたりまえのことですが、降りないで済ませるやり方はありません。
ただ、この3つのことを思い切りやりきり、その時その困った状況を受け入れ、ショックな気持ちが落ち着いてきたら、その時冷静に状況を判断して今起きていることの本質はなにかつかみ、とるべき手をとり、淡々とすべきことができます。そう考えたら結果的に一番問題解決に近づくやり方だもといえると思います。
わかりやすく説明するために、逆のパターンとしてこういう時やってしまいがちなことを見ていこうとおもいます。
●抵抗する
ショックなことがあると最初は認めたくないもの。もちろんそれが人間として普通の反応です。不思議の国のアリスのように、突然異界へ通じる穴に落ちたみたいなことが起こっています。びっくりするのが当たり前です。
でもショックを受けるだけでなく、そのことに抵抗して見て見ぬ振りをしている場合があります。その場合は注意が必要です。そのせいで膠着状態におちいってしまうと、物事が展開していきません。
あまりに膠着状態が続く場合は、もしかして、自分が見て見ぬふりしていることがあるのかも?と疑ってみるのもいいかもしれません。抵抗しても、ただ苦しむ時間が長引くだけで特にいいことはありません。
事実をありのままに受け入れるところがスタートです。
それができると物事は自然に展開していきます。
●あせる
これも身に覚えがある、よくある反応です。
あせりますよね。あせるのもありです。あせってもいいです。
周りの人に話を聞いてもらったり、ノートに気持ちをかきだしたりすると、少しは落ち着くかもしれませんね。
できるだけ、緊張のエネルギーをぷしゅーっと抜いてみましょう。
あせっているとき、人間はまわりがよく見えていないことを意識しましょう。そのせいで周りが助けの手をさしのべているのに気がついていないということもあります。そうだとしたらとてももったいないことですね。
ついなにかしなければとおもってしまいますが、リラックスして落ち着くことによって、周りの状況がよく見えてきて、一番いい手を選べるのかもしれない、ということも考えてみてください。
あせったりパニックになったりする自分を、やさしく受け入れて次に進みましょう。
●どうでもいいことにこだわってしまう。
いま自分がなんとかしなきゃ、とおもっていることは問題の本質でしょうか?
枝葉の部分に気をとられていませんか?
物事の本質から目をそらしたくて無意識にやっきになって枝葉に集中してしまうこともあります。
難しいですが、こういう時の急所の見極めはとても大事です。
そこに気がつくことができると、エネルギーの無駄使いがなく、まっすぐゴールに向かっていくことができます。
大変で、落ち着いてなんかいられない、という時ほど、意識して心を落ちつけて、ひとりの時間を持って、いま起きていることの本質はなにか探ってみてください。