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読書をしながら、子育てしながら、お仕事しながら、人間の内面についていろいろ考えたりする毎日

逆さまの世界

 

ぼんやりと考え事しているのが得意な内向直感タイプのわたしにとって、この社会には不思議なことがたくさんあります。


中でも、あまりよくないと思うのは、商業主義が行き過ぎて、それが空気のように当たり前になってしまっていることです。


企業がものを売るために作る広告や雑誌の中の素敵な女性、素敵な男性、素敵な家族、素敵なお家、そういうものが現実だと信じてしまって、いろんなものを消費することで自分もそうなれると信じている人が多い気がします。教育の世界もそうですね。魅惑的な勧誘の文句で教育にお金を使わせようとする広告に囲まれて、あれを習わせれば、この学校に入れれば、こどもがよい子になり将来しあわせになれると信じる。

逆にたりないのは、本来の自分の内面を感じること、本当は自分はどう思ってるのか感じること。ものごとの本質を探ること。ものごとを立体的に捉え、全体としてどう動いているのだろうと考えてみること。

内面の葛藤や悩み、ネガティヴな感情を言語化できてない人って大人でもたくさんいます。

表面的な見た目はわかりやすく整えられますが、内面を整えるのは地味で時間のかかる作業です。そんなことしない人が大多数です。

日常のちょっとした不都合、予定外のハプニング、そうしたことを抱える心のスペースがないのです。

社会的にいまの風潮なのでしょうが、表面的なことの奥に一体なにがあるのか考えない、考えないのが当たり前、という集団意識が根強くあるのでしょうね。


親の世代の人間自身が「楽な方がいい、楽ならいい、本当はどうかとかどうでもいい、考えるのも面倒」という思考習慣、生活習慣が身についてしまっているのでしょうか。不都合なことと向き合ったり、粘り強く格闘する、という筋力がないという気がするのです。

二次元的な表面のことにばかり目がいってしまう生き方が当たり前のようになってしまって、心の奥の空間を大事にする生き方が忘れられてしまってる気がします。

子育てでつまづいたり、悩んだり誰でもあると思いますが、いま悩んでる、困ってる、という人は「なんで自分だけ」なんて自分を憐れんだりせずに、「あ、そういえばこういう時ってチャンスらしい」とおもってほしいです。

なんのチャンスかというと、自分の深いところに降りていって内面をよくみつめるチャンスです。

だっていつもの日常レベルでものを考えても解決しない状況なのだから、一段深いところでいろいろ見直したり捉え直したりする段階にきているのです。

河合隼雄さんの本を読むとその感覚がつかめるかもしれません。

なにも難しいことではなく、お茶でも飲みながらただぼーっとして自分の内側を感じればいいのです。わたしはこういう理由によってこのように行動しているのだ、という思考のその奧に、別の気持ちが隠れていることもあります。(自分を批判したり責めたりすると逆効果ですのでご注意くださいね。)

あ、わたし本当はこんなこと気にしてたんだ、傷ついてたんだ、などと気付くことができれば、無意識に自分が縛られてたことに気付くかもしれません。

より自由になることができたら、とれる選択肢も広がります。無意識に振り回されることも減ってきます。一度深いレベルの自分を体験すると、「自分の外見や人にどう見られるか」なんてたいしたことないって思えます。つまり他人にどう思われるかということにも必要以上に振り回されなくなります。

少しずつ、より自由に生きられるようになっている、と実感できるとじわっと深い喜びがあります。