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読書をしながら、子育てしながら、お仕事しながら、人間の内面についていろいろ考えたりする毎日

自己肯定感について

 子育てで自己肯定感ということばはよく耳にするとおもいます。こどもにとって自己肯定感が大事だということはみなさんよく知ってらっしゃると思います。

 

ありのままの自分でいていい、安心していられる、自信を持っていろいろな活動に取り組める、そんな気持ちの元になるのが自己肯定感ですよね。

 

こどもの自己肯定感を上げる関わり方、工夫、そういうことはわたしの専門ではないのですが、こどもが自己肯定感を持つためには親が自己肯定感をしっかり持つことが一番大事だ、ということはわかります。

 

こどもにとって、「失敗もあるけど自分が好き!」と感じて毎日生き生きと自分を生きている見本(親)を身近で見られることがどんなに大事か。そして、大切なのは、自分を肯定していなければ他人のことも肯定するのが難しくなるということ。

 

逆にいえば、親が自己肯定感を持って生きて、子育てするならば、子どもに対しても自然と自己肯定感をあげる関わりをするだろう、ということです。

 

みなさんはどうですか?自己肯定感があると感じられますか?

 

 

現代社会は自己肯定感を持ちにくい仕組みになっています。日常充実した毎日をいそがしく送っていて、あまり考え事をしないという人は特に要注意です。

 

うっかり現代社会の価値観や広告のいうことにだまされて、自己肯定感がしっかり育ってないことがあるからです。

 

例えば、主婦だったら、家事が上手にできなきゃいけない(栄養たっぷりのお料理でおもてなし上手に、家はいつもモデルルームのように掃除がゆきとどいて、インテリアもおしゃれに)とか、若い女性だったら美人でスタイルがよくておしゃれで魅力的じゃなきゃいけないとか、仕事をしている人だったら成功しなきゃ、お金がたくさんなきゃ、有能でなきゃ、MBAがないと、海外でバリバリ仕事しなきゃ、とか。

 

テレビとかマスコミがモノを買わせるために無意識に吹き込んでくる情報は、いい加減もいいところなのに、たちどまってそれをいちいち「そうなの?」「本当に?」と吟味しなければ、なんだかそれが普通と思ってしまいそうになります。

 

でも、いろいろなものをとりはらった自分はなんの価値もない、だからあれやこれやにお金を使わなければならないなんて本当でしょうか?

 

わたしは基本的にはあまり人からの評価とか気にしないたちですが、それでも家事が苦手なことについひけめを感じたり、素敵な外見じゃない自分が気になったりすることはあります。特に、子育てについては特に「こうすべき」「ああすべき」というのがたくさんあって疲れますね。

 

他のお母さんと話しているとすべてが「わたしって素敵なママでしょ」というアピールに聞こえてきてしまうこともあります。でも逆にいえば、たくさんの人が「こうしなきゃ」というたくさんの思い込みに縛られて窮屈な思いをしながらその人なりにがんばっているんだな、とおもうのです。

 

言い方を変えれば自己肯定感が低いために、まわりに対してもそのままの相手を尊重する関わりが難しくなっている、ともいえます。アピールする人は結局、そのままの自分に自信がないんですよね。だから「あれ」や「これ」をつけた自分を一生懸命見せなくてはと思ってしまう。悪気はないのに、相手を窮屈なきもちにさせてしまう。そういうことかなとおもうのです。

 

でも子育てや家事(仕事、恋愛)を完璧にやりこなすなんて不可能だし、そのためのTO DO リストを想像しただけで疲れてきませんか?

 

では逆に一番大切な、これさえあればいいことってなんでしょう?

 

 

答えはそれぞれだとおもいますが、みなさん考えてみませんか?自分と自分の子にとって一番大切なもの、それさえあればいいってもの。

 

それさえしっかり自分の中に持っていれば「なんだかんだ今日も完璧は無理だったけど、大事なことはちゃんとできた!」っておもえますよね。

 

その積み重ねが自分の自己肯定感を育てていくし、こどもの自己肯定感を育てられる親ってそういう親じゃないかなっておもうんです。

ママは(パパは)完璧な親ではないけど、がんばってるよって笑顔でこどもにいえる親であれば、きっとこどももハッピーな気持ちになれる。

 

 

その逆はどうでしょう。あれもしなくちゃこれもしなくちゃ、と毎日あせりながら暮らし、思い通りにならないこどもをつい怒ってばかり。本当はこどものことが大好きなのにそれを表現するチャンスがない。こどもからするとだめだめって叱られてばかりでなかなか自分はそのままでいいって思えないので自己肯定感は上がらない。

虹色教室の奈緒美先生が子育てで大事にしているのは「自分の心に注意する」と「大きな問題が起こったときこそ、しっかりと親になろう!と決めた」と記事でいってらっしゃって、それはすごくそうだなっておもいます。ひとつの究極の答えですね。

 

わたしにとって子育てで大事にしていることはなんでしょう。その時によって答えは変わるのですが、いまは「一日のうちで何回かでいいから、こどものことを大好きって思える瞬間があって、一緒にいられてうれしいって思えること」を日々大事にしています。いまのところ、それができてたら、ごはん手抜きでも、家の中が散らかってても、家計のやりくりに失敗しても、段取り悪くてぐだぐだな一日でもOKと決めています。

実は子どもが小さいころ、神経過敏で毎日かんしゃく起こしてぐずって大変な時期が数年間ありました。その頃はわたしも日々くらーい顔で怒ってばっかりだったので、その体験からそんな風におもうようになったのかもしれません。

いまでも親にはわからない理由でぐずったり、歩かなくなったり、癇癪起こしたりは珍しくないですが、これはもう親がいくらがんばってもゼロにはなりません。

それをなくそうとするとものすごく辛くなるので、逆に一日に数回こどもと笑いあったり大好きって思える瞬間があればいい、とおもうようにしています。

 

 

よく考えてみたら、大事なことはそんなに多くありません。こどもが生きていてくれること、かもしれない。こどもが笑ってくれること、かもしれない。その答えはそれぞれの子育ての数だけあるし、子の成長や親の変化によって変わっていくかもしれません。

 

でもぜひ考えてみてほしいのです。大切なことはなにか。

 

大切なことをしっかり押さえたら、他のことはまあいいかって思えます。それによって自分の自己肯定感をあげ、親が笑顔で過ごすこと。そこからこどもにも家族にも笑顔が広がります。

 

子育てもそうだし、人生もそうですよね。

 

いやなこと、思い通りにならないことはたくさんあって、ゼロにするのははっきりいって不可能です。不可能を可能にしようと毎日目をつり上げてがんばったとしても、その努力が100%報われる(すべてが自分の思い通りになる)ことはないのです。

 

なんだかそう思うと、自分ががんばりすぎてたな、と拍子抜けしませんか? 本当に、世の中の大半のお母さん(世の大人のみなさんもですが)はがんばりすぎだとおもうのです。

 

せっかく子育てするチャンスを授かったのですから、すこし気持ちを切り替えて、自分を大事にしてゆったり構え、ほっこり、ぬくぬく、じんわりうれしい、そんなふうに心の奧で感じる時間を少しでも持つようにしてみませんか?

 

まずは自分から。