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拡充学習の例/拡充学習とミニコースの違い

拡充学習とミニコースの違い、というのがレンズーリの本で強調されていたので、大事な部分なので書いてみたいとおもいます。

 

ミニコースというのは例えば特別プロジェクトのようなことをイメージしていただければいいと思います。

 

ちなみに拡充学習の例として本であげられているのは次のようなことです。

 

◯ 新聞の発行( 編集者、レイアウト、記者、特別記事の筆者、スポーツ記者、広告部長、漫画家、などの役割が考えられる)

◯ 休日コンサートの実施(ダンス、セットデザイン、演劇のグループの合同で行う)

◯フライトスクール(飛行の力学を調べる、空港に見学にいく、実際のパイロットに話しを聞く)

◯発明大会

 

 プロジェクトっぽい感じですよね。同じ内容でミニコースとしてやっているところはたぶんあるとおもいます。

 

ただ、レンズーリはミニコースと拡充学習は全然違うのだ、といっています。

 

どこが違うのかというと、ミニコースではカリキュラムが決まっていて、最終的な着地点も決まっていますが、拡充学習では違うのです。

 

とにかく、学習者及び指導者の興味、やりたいことに徹底的にあわせていきます。学習者が自主的に方向を決めることができます。楽しくやることが大事というのはそういう意味です。

 

これが楽しい、という方向に向けて指導者の方はきめ細かく軌道修正していくので、最終的にどこに向かうのかは、その時にならないとわかりません。

 

ミニコースは拡充クラスターとはかなりちがう。拡充クラスターとミニコースには、いくつか大きな違いがある。ミニコースはふつう、前もってきまったカリキュラムや内容があって、教師主導の探索的経験を与える。一方拡充クラスターは、子どもや拡充クラスター担当者の興味によって進行する。子どもと教師はいっしょに拡充クラスターの方向、重点、成果、および発表場所や発表相手を決定する。カリキュラムと授業計画は。拡充クラスターにはまったく存在しない。むしろ、子供と教師はいっしょにクラスターの学習経験の方向や目標、結果を決定する。成果を重視するので、結果は子供にとって有意義で、興味に対処できる。

 

先日別の記事でも紹介したと思いますが、レンズーリはこういっています。

 

(拡充学習の4つの原理を紹介した後に)

これらの原理に導かれる学習の最終の目標は、依存的で受動的な学習の代わりに、独立的で積極的に関与する学習を行うことだ。

 

つまり、教師がきっちり計画をたててそれをやらせるの学習ではなく、教師と子どもたちが一緒になって「これおもしろいね!」と盛り上がって、その中で方向性が決まって、共同で自主的に発展させていく、ということですね。

 

4つの原理のところでも「楽しむ」要素が大切、と強調しているところからもそれがわかります。またひとりひとりに合わせる、ともいっていますから、子どもの個性を見ないで一律に用意してあるカリキュラムをやらせるようなことは拡充学習ではありえない、ということがわかります。

 

引用はこちらの本からです。(残念ながら絶版の模様)

 

個性と才能をみつける総合学習モデル

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