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読書をしながら、子育てしながら、お仕事しながら、人間の内面についていろいろ考えたりする毎日

「百まいのドレス」

百まいのドレス

百まいのドレス

 

 

虹色教室で紹介されていて、ふとこどもと読んでみた本です。

かけ算しているところからして小学2、3年くらいの女の子たちのお話なのですが、心の繊細な移り変わりが手に取るようにわかる素晴らしい描写です。また挿絵も繊細な文章にぴったり合って美しいです。ふわっと描いているところと、子供の表情をしっかり捉えたデッサンで表現しているところと使い分けています。

 

胸の痛くなるようなこども同士のトラブルがテーマですが、必要以上に煽ることなく落ち着いたトーンで描かれています。

 

読んだ後に心に残るのは、目には見えない部分の魂の美しさです。

 

見た目重視の価値観によって否定されているように感じているたくさんのこどもたち、そしてその子たちの魂に秘められた美しさを思います。

 

また、傷つけながら、傷つきながら大切なことに気がつく主人公の少女もすばらしいです。感受性が強くてたくさん傷ついているこどもに、たくさん傷つくことを恐れずに、そんな自分を否定せずに、それがすばらしい気づきのもとになることを知っていてほしいです。

 

読んだ後、上の子はとてもいいお話だね。これ好き、と深く味わう表情をしていっていました。それでついどこが好きだった?と聞いてしまったのですが「んー友達げんかのはなしだね。自分だったらいじわるなこといわれたらいいかえすよ。」などといっていました。


わたしが性急に感想を聞いてしまったので、思いをうまくことばにできなかったよう。

こういうお話は読んだ後、しみじみと心のなかで味わったり、折に触れて思い返したりするのがいいんですよね。無粋な対応をしてしまったなと反省しました。