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読書をしながら、子育てしながら、人間の内面についていろいろ考えたりする毎日

「だいすきがいっぱい」

 

だいすきがいっぱい (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)

だいすきがいっぱい (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)

 

 

図書館でこんな絵本に出会いました。

 

この表紙の女の子の寝顔、かわいいですね。ぬいぐるみのくまも幸せそう。

 

 白いけがわに赤いちいさなぼうし。胸のまんなかには、音楽をかなでる魔法のねじ。くまのぬいぐるみは、自分のなにもかもがじまんです。「ぼくのなまえは、『さわらないで!』」おみせにいたとき、自分の横にそう書いてあったので、くまはそれが自分のなまえだと思いこんでいました。そして、そのとおり、さわられるのがだいきらいでした

 

ある日女の子のところにやってきたぬいぐるみのくま。赤い帽子もふわふわの毛皮も、胸についているねじも、それをまわすと歌をうたえることもなにもかも自慢だったけど、赤い帽子は風にとばされ、雨ざらしになって毛皮もきたなくなり、胸に入っているオルゴールは雨に濡れてこわれて鳴らなくなります。

 

女の子は手術してあげましょうね、といって胸を切ってオルゴールを取り出し満足そう。がっかりしているくまには気がつかず、「この方がずっと抱っこしやすくなったわ」といって毎晩くまと寝るようになります。

 

「どうしたの?」

ふるぼけたももいろうさぎが、くまにやさしくこえをかけました。

「ぼく、だいじなものを、ぜんぶなくしちゃったんだ。もうだれも、ぼくのことをほめてくれないだろうなあ......」

くまはべそをかきながらいいました。

「ほめてもらわなくたっていいじゃない。だいすきになってもらうほうが、ずっといいでしょ」

「だいすきって?」くまは、うさぎにたずねました。

「しらないの? くまのぬいぐるみには、だいすきがいっぱいつまってるのよ」

ももいろうさぎはわらいながらいいました。

「ほうしとか、けがわとか、ねじとか、そんなものどうだっていいじゃない。どうせいつかはとれちゃうんだから。ほんとうにたいせつなものはね、いつまでもじぶんのむねのなかにあるのよ」

 

このとき くまにはうさぎのいってることがよくわからないのですが、この後ある事件をきっかけに、「だいすき」ってこういうことなんだと知ります。そして「だいすきがいっぱいつまったくま」になるのです。

 

だいすきってどういうことか、具体的に描写してあるところもいいです。愛とかだいすきなきもちとか、説明が難しいけど、この絵本をよんだら、こどももそういうことか、そうだよねっておもえるんじゃないかとおもいます。

 

毛皮が汚れてもオルゴールが壊れても、女の子に愛されて幸せなくま。だいすきがいっぱいつまったくまの幸せ。

 

いつか失われるものもたくさんあるけど、ほんとうに大切なものはいつまでも自分の胸の中にある。そういうことは、なかなか日常生活ではお話しないけど、伝えておきたい大切なことです。

 

そんなことも絵本を通じて感じてもらえるかなとおもいます。

 

とても素敵な絵本です。挿絵は女の子の表情がよく捉えられているのがいいです。不安な顔、集中してる顔、くまをお世話してる時の顔...。

 

残念ながら絶版のようなので図書館で探してみてくださいね。

 

こちらのサイトで詳しく紹介されています。

www.ehonnavi.net