「大きい1年生と小さな2年生」
上の子におすすめするおもしろそうな本を探していてみつけました。
作者はおしいれのぼうけんやロボットカミィなどで知られる古田足日さん。
おもしろそうな本見つけたから借りてきたよ!と声をかけると自分で読んで、この本おもしろーい!といっていました。半分くらい読んで、後は結末が知りたくなってペラペラ後ろの方めくってましたが。
そこでわたしも読んでみたのですが、これは!おもしろいにもいろいろありますが、なかなか奥深いおもしろさです。
身体は大きいけどこわがりで泣き虫の1年生、まさやと、身体は小さいけど、気が強くて年上の男の子にも向かって行く2年生、あきよの心の中が手にとるように描写されて見事です。
毎日の出来事やちょっとした冒険をとおして、それぞれに成長していく2人。
同い年くらいでこの本に出会えた幸運なこどもは、まさや、あきよと一緒に冒険をしながら、心が成長していけるでしょう。
まさやは、あきよの背中を追いかけて、こんな時あきよならどうする?と考えながら新しいことにチャレンジしていくうち、いつのまにかひとりでいろいろなことができるようになっている自分に気がつきます。
あきよは身体の小さいことを気に病んでいるけれど、自分がまさやに憧れにも似た気持ちで尊敬されていることを知ると、心が大きく広がっていって、いつか身体が小さいことなんてどうでもいい、と思っている自分に気づくのです。
また、ふだんはおっとりしていて「けんかしちゃ、いやよ」、といっているまりこは、いざという時に観察力の鋭さでみんなを助けます。
こんな本を小学1年生、2年生で読めたらいいですね。
こどもの学校にもおいてあるそうなんですが、うちの子は読んだことなかったみたいです。
またまた本の薦めかたについて悩むところですね。
1970年に発売されたこのお話が、いまもいきいきと人の心をつかむ、ということは、人の心の動きの根本のところには古今東西変わりがないのだなあ、と実感させられます。だから何百年前に書かれた古典小説や物語も楽しめるんですね。