こどもはどんな大人を必要としているか?
虹色教室のブログで素敵な記事を発見しました。(過去記事の再アップなのだそうです)
記事の中で紹介されている文章がとても心に響きました。
一瞬一瞬の観察で、教育者たちは子どもたちの成長や発達にともなう才能の変化に、どんなとらえにくいことでも気づくことができます。
それは、知性、心身のバランス、感情面の成長、好奇心、自律などの変化です。
このプロセスは、ほかの生き物に見られる発達とも似ています。
生物学的な比喩は、すぐれた教育者たちにたびたび使われてきました。
というのも彼らは、生徒たちのなかに、自分固有のルールに従い、自分のペースで展開する、生き生きした自律的な進化を認めるからです。
(省略)このような眼差しを注がれると、成長していく子どもたちは
深い尊敬と自信を呼び覚ましてくれます。
そして、教育者が強制する必要なしに、子どもたちのなかに自律的なプロセスが続きます。
付け加えなければならないものは、何もありません。
すべての知恵と善が、すでに子どもたちのなかにあるのです。生徒たちから学ぶことが教育者の務めであり、その逆ではありません。
こどもたちに見られる「自分固有のルールに従い、自分のペースで展開する、生き生きした自律的な進化」とはこどもたちの中にある「育つ力」そのものですね。そして教育者がその「育つ力」をこどもたちの中に認めることで、こどもたちの中の「自律的な進化」のプロセスにスイッチが入り、進んでいくのですね。
一粒の種の中に、丸ごとの宇宙の素が入っていて、成長するに連れて自然に展開されていき、ひとつの宇宙になる、というようなイメージを持ちました。
そして教えてやろうという上から目線ではなく、こどもたちひとりひとりの中に眠っている「すべての知恵と善」から学ぶ、という教育者の姿勢がとても大切なのですね。
そして、こどもから見た「よい教育者の資質」としてこんなことが紹介されています。
● 私たちが選択したことを実際に試み、恐れることなく世界を探検する手助けをしてくれる人。そしてもし私たちが失敗したり、困った問題に巻き込まれたりしても、私たちは裁かれないということを知っている。
● 私たちができること、なれるものを示してくれ、新しい発見がどんな喜びを生み出すか、示してくれる人。
● どれほど陳腐なものであっても人生に持ち込み、それをいきいきした魅力いっぱいのものにする人。
● 私たちが自分で何か探し出すように励まし、私たちを自分の才能に結びつけ、私たちが学んだことは自分がやったことなのだと気づかせてくれる人。
● 私たちを退屈させたり、眠りこませたりすることは決してしない。
ただちょうどよい量の夢を見せて、常に私たちの注意を呼び覚まし、刺激する用意ができている人。
● 苦労せずに学ぶ手助けをし、そのため私たちは、学んでいることが、
深いところではずっとわかっていたことだと感じる。
これを読んで心の深いところで「ああ」と腑に落ちました。こどものわたしが周りの大人に求めていたことってこういうことだったなって。いまでも、こどもに対してどう対応したらいいかな?と思った時拠り所にするのは、自分がこどもだった時の「こういう対応がいやだった」「こういう風にしてもらってうれしかった」という感覚です。
わたしがこどもの頃、なにが原因といったらいいかよくわかりませんが、とにかく辛かったです。敏感さを持っていて傍目には気むずかしく見えていただろうし、わかりやすい長所のあるこどもでなかったし、自分自身も機能不全家族で育ったために不適切な行動をとるところがありました。
でもこどもだから、わざとやっているわけじゃないし、もっと大人のサポートが欲しいとおもっていました。
自分の親や学校の先生に対して「どうしてこうなんだろう」という不満があり、「もっと素敵な大人が身近にいたら」、そういう思いがありました。
いつの頃か忘れましたが、この人たちは変わらないから仕方ない。自分はいまこどもだから、社会を変えられない。自分が大人になったら、もっといい大人になればいいんだって決めました。
それが、わたしの「こどものためになることをしたい」の原点です。こどもにとって自分は「こうあってほしい大人」になれているかなあと時々思います。
記事で引用されている文章はこちらの本からだそうです。
- 作者: ピエロフェルッチ,Piero Ferrucci,平松園枝,手塚郁恵
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