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読書をしながら、子育てしながら、お仕事しながら、人間の内面についていろいろ考えたりする毎日

自発的にその子の喜びを追及させてあげることが学力を伸ばすーー共有型しつけのこと

最近、内田伸子さんという研究者の本を読んでいます。

こちらの記事を読むとエッセンスがわかります。

 

発達心理学の研究を長年行ってきた立場から発信されています。

例えば

  • 想像力は「生きる力」である
  • 楽しいと感じた時に記憶力が高まる
  • 叱られながらやった勉強は身に付きませんが楽しく活動しているときには「好きこそものの上手」という状態になり、子どもの学力も伸びるのです。
  • 幼児期の豊かな体験が後の脳の成長の基盤になる
  • 子どもの主体性を大事にする大人の関わりが子どもを伸ばす
  • 強制型しつけより共有型しつけの方が有効であり、大きくなってからの難関を突破する力につながるというデータが出ている
  • こどもが疑問を持った時すぐに答えを与えるのではなく、こどもが自分で考えるための足場をかけてあげるようなサポートをしてあげるとよい

 というような、わたしがいままでの子育ての中の試行錯誤から「こうしたらいいんじゃないか」と考える子育てのことが書いてあり、「やっぱりこれでいいんだ!」と嬉しくなりました。

 

共有型しつけとは「親子のふれあいを大切に、子どもと楽しい経験を共有したいというしつけ」のことだそうで、こうした関わりがこどもをいろいろな意味で伸ばすことが研究により明らかになったそうです。具体的な関わり方も示してありわかりやすいです。

 

第6回「子育てに『もう遅い』はありません~どの子も育つ共有型しつけのススメ~ 」(1) - 日本子ども学会 ~子どもたちの健やかな成育環境づくりを支援します~

 

親が子供に接する時に気をつけてあげてほしいことが簡潔に述べられている部分を引用します。

 

自分から本当にやろうとしないと自分の力にはなりません。自分で関心を持てばあっというまに習得してしまいます。文字は子どもの関心の網の目に引っ掛かってくるにすぎません。肝心なのは文字が書けるかどうかではなく、文字で表現したくなるような内面の育ちであるというふうに思われます。つまり創造的な想像力を育むことが、乳幼児期の発達課題になるであろうと。そこで、保育者や保護者、指導者の皆様に申し上げたいのは、次の5点です。

 

第一に、子どもに寄り添うと、安全基地になる。子どもとの間に信頼関係をしっかり作り上げることが大事です。

 

第二に、その子自身の進歩を認め、ほめていただきたい。ほかの子とは比べない5歳後半になれば、展示ルールが獲得され、人目を気にしたり人と比べたりするようになりますから。親はその子自身の進歩を認め、ほめていただきたいと思います。常に、「3つのH」―ほめる、励ます、(視野を)広げる ということばをかけていただきたいと思います。

 

第三に、生き字引のように余すところなく定義や回答を与えない。

 

第四に、裁判官のように判決を下さない。禁止や命令ではなく提案の形で言ってほしい。「何々したら」と提案したら、「僕したくない」と、子ども自身で選択する余地があります。このように、子ども自身が主体的に判断して選べるような選択の余地のある言葉をかけていただきたいと思います。

 

第五に、子ども自身が考え、判断する余地を残すこと。このような働きかけ、つまり大人が子どもの主体性を大事にした関わり方をすることによって、子ども自身、自分で考えるという自律的思考力や、創造的想像力が育つのです。

 

親は、お子さんが疑問を感じた時、すぐに回答や解説をしないでいただきたいと思います。お子さんがどんなところに躓いているのか、どこに疑問を感じて先に進めないのかをよく洞察してください。お子さんが迷っている点が見つかれば、足場(scaffolding;注:教育心理学ブルーナー;J. Bruner, 1981)を架けて、お子さんが一歩踏み出せるようにしてあげてほしいのです。