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読書をしながら、子育てしながら、お仕事しながら、人間の内面についていろいろ考えたりする毎日

思いがけない災難にあったら

災難に襲われた時、まず自分の中は恐れ、不安、パニックといった感情でいっぱいになります。

 

自分は機能不全家族で育ったのですが、親は定期的に不安発作に襲われていて、その様子をつぶさに観察する機会がありました。

それは不安発作としか呼びようがないもので、家族から何時間か連絡がない、というささいなできごとが「交通事故にあっていたらどうしよう」というような不安を呼び、その不安が不安によりどんどん増殖し、しまいには理性で考えられないような大きな災難で頭がいっぱいになって、他のことは考えられなくなるのです。


そうした当事者を間近で見ていると、かえって冷静になるもので、感情に振り回されずに状況を把握できるので、いまなにができるかということも見えてきます。

 

人生で思い通りいかないことも、時折起こるものですが、わたしはそういう時にこの体験を生かしています。

自分の身に災難がふりかかった時、もちろん不安になります。パニックにもなります。最悪のことを想像しすぎて、いま起こってないことまで心配になったり、思考のネガティブなスパイラルにはまることもあります。

でもノートにいま自分はこう感じている、こういうことがあって、いま心細い、など書き出していると、感情を吐き出すことで自分も落ち着いてきて、だんだんそれを観察するモードになってきます。

不安を増幅するのは簡単で、不安を感じまい、と抑圧したり見ないふりで無視を決め込めばどんどん大きくなるのです。

「この状況で不安を感じるのは当然」などその時感じている感情をそのまま認めて吐き出すと落ち着いてきます。不安なら不安という感情を否定することなくそのままみつめることが大事です。それは科学的な観察とも似ています。

ひととおり吐き出して落ち着いてくると、自分のモードが変わっていることに気がつきます。「いろいろなことに振り回される無力な小さい自分」からもっと大きな自分、全体を俯瞰している自分に。

「チャンスを広げる思考トレーニング」という本ではそれを、「自分をゲーム盤上のコマととらえることから、自分をゲーム盤自体ととらえる変換」と表現しています。


もし、いま目の前にある困った状況に対して自分がなにか手を打てるとしたら、このモードにいないと無理です。パニックになると全体を冷静にとらえることができません。

自分にできることは何か考え、行動にうつすこともできます。落ち着いて家族をサポートすることもできます。パニックで逆上して家族にやつあたりして、邪魔をすることもなければ、不安に駆られて見当違いのことをしなくても済みます。自分の考える悪循環の思考の渦に他人を巻き込むこともありません。

 

あとは平常心で淡々と自分にできることをひとつひとつやっていくのみです。

 

 「チャンスを広げる思考トレーニング」の新版です。

人生が変わる発想力 フェニックスシリーズ

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