苦手なことにとびこんでみる
先日、昼間の空き時間にバイトでもしてみようかとおもい、お弁当作りの仕事の面接を受けました。
面接を受けるなんてひさしぶりでものすごい緊張しました。
そのめちゃくちゃ緊張した面接の席で、「できたお弁当を運ぶことがあるのですが、車の運転はできますか?」と聞かれました。
実はわたしは免許はあるのですが、運転は大の苦手でここ十数年運転していないペーパードライバーです。いま運転しろといわれたら恐怖のあまり「あなたは命が惜しくないのですか?」といいそうです。
しかし、面接を受けているという立場上すべてに前向きな姿勢を示さねば、とおもったその時のわたしは正直に現状をお話しした上ですべてをかなぐりすてて「えーと、でも必要ならやってみます!」と答えていたのでした。
後から考えて、その時のことがおかしくて、笑えて仕方ありません。
うまく説明できるか自信がありませんが、それは無理してできそうもないことをいってしまった、というのとも違うのです。
自分の中で絶対無理!とおもっていた「運転」というハードルを全身全霊で飛び越えようとした時、緊張とかプレッシャーとか不安とかはすべてどこかへいってしまっていました。
その時自分で自分に「もしかしてやってみたらできる?」と問いかけて、「できる...かも!」と感じて自分で出したその答えは、意外にも自分でことばにしながらわくわくするものでした。
「気に入られないといけない」とか「ちゃんとしなければ」というような、自分を小さい枠にはめるようなきもちがぱーんと飛んで、そこに入りきらない生命力があらわれたのでした。
苦手なことに、あえてプライドや立場をすべて捨てて赤ちゃんのように飛び込んでみる、というのはなかなかミラクルな体験だな、とおもいました。
ちなみにそのバイトには結局採用されなかった、というオチでこの話は終わります。