Follow your bliss

読書をしながら、子育てしながら、お仕事しながら、人間の内面についていろいろ考えたりする毎日

無上の喜びを追求して生きるということ その1

引き続きジョーゼフ・キャンベルの「神話の力」より

 

いつも見えない手に助けられているものだから、とうとうひとつの迷信を抱いてしまいましたよ。それは、もし自分の至福を追求するならば、以前からそこにあって私を待っていた一種の軌道に乗ることができる、そして、いまの自分の生き方こそ、私のあるべき生き方なのだ、というものです。

 

そのことがわかると、自分の至福の領域にいる人々と出会うようになる。その人たちが、私のために扉を開いてくれる。心配せずに自分の至福を追求せよ、そうしたら思いがけないところで扉が開く、と私は自分に言い聞かせるのです。

ジョーゼフ・キャンベルの「神話の力」より

 

 このブログのタイトルFollow your blissもこのジョーゼフ・キャンベルのことばをいただいたものです。日本語では「あなたの無上の喜びを追い求めなさい」とか「あなたの至福の思いを追い求めなさい」という意味になるかとおもいます。

 

このことばを真意を説明するのはなかなか難しいですが、キャンベルのことばを引用しながらいくつかの記事に分けて書いてみようとおもいます。

 

逆に、自分にとっての無上の喜びを追求したことのない人間とはどんな人か?ジョーゼフ・キャンベルはこんなエピソードを紹介しています。

 

私は結婚するまで、昼食と夕食はたいてい町のレストランでとっていました。ブロンクスヴィルでは木曜の晩は家庭のメイドさんが休みなんです。だから、多くの家族がレストランで夕食をとる。

 

ある晩のこと、私は行きつけのレストランにいました。隣のテーブルには、父親と、母親と、十二歳くらいのやせっぽちの男の子が座っていた。

 

「トマトジュースを飲みなさい」と、父親が男の子に言いました。「飲みたくない」と男の子がいいました。すると父親はもっと大きな声で、「トマトジュースを飲みなさい」と言いました。そしたら母親が「いやだということを無理にさせないで」と言ったんです。

 

父親は彼女をじっと見て言いましたーーー「この子は、好きなことだけして人生を渡るわけにはいかない。好きなことだけしてたら、死んでしまうぞ。おれを見ろ。一生のうち一度だってやりたいことをやったことはないんだ」

 

いまでもこういう人、親はたくさんいますよね。ある種の恐怖にコントロールされているというか。好きなことをしたら生きていけないというマインドコントロールにかかっているというか。

 

続きます。

 

 

 

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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