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読書をしながら、子育てしながら、お仕事しながら、人間の内面についていろいろ考えたりする毎日

無上の喜びを追求して生きるということ その3

ジョーゼフ・キャンベルの「神話の力」より。

 

幸運や不運に振り回されず、どんな状況でも静かな喜びをもって生きるとはいったいどういうことなのでしょう?

 

キャンベル自身が大恐慌の中職も金もないのに幸せに過ごした体験を引用します。

 

キャンベル わたしは1929年に、学生としてヨーロッパから帰ってきました。ウォール街の大暴落が起こるほんの三週間前でした。だから、5年間色につけなかった。当時はほんとに職がなかったんです。私にとってはすばらしい時期でしたよ。

 

モイヤーズ すばらしい? 大恐慌どん底が? いったいそのどこがすばらしかったんでしょう。

 

キャンベル 私は貧しさを感じませんでした。ただ、お金が全然ないと感じていただけで。あのころ、人々はおたがいにとても親切でしたよ。例えば、わたしはフロベーニウスを発見した。フロベーニウスが突然私の心をとらえたんです。彼の書いたものを全部読まなくては気がすまない。そこで、ニューヨークで私が知っていた書籍販売会社に手紙を書いたら、本を送ってくれて、職が見つかってからでいいと言ってきたんです、四年後ですよ、就職したのは。

 

ニューヨーク州ウッドストックに、すばらしい老人がいました。小さな地所を持っていて、まあ鶏小屋みたいな家を年二十ドルかそこらで、自分が将来を見込んだ芸術家の卵に貸していた。そこには水道はなくて、ところどころに井戸とポンプがありました。老人は、水道に魅力を感じるような種族は好きじゃない、だから水道は引かない、と公言してましたよ。私はそこで基礎的な読書と研究の大部分をしたのです、すばらしかった。私は自分の至福を追求していました。

 

 

 

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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