無上の喜びを追求して生きるということ その4
無上の喜びを追い求める生き方、そのヒントはどこにあるのでしょう?
モイヤーズ 永遠の生命の泉、すぐそこにある至福の泉からどうやって汲めばいいか。なにかアドバイスを。
キャンベル 私たちはいつもいろいろの経験をしていますが、そのうちふっとそれを感じることがある。自分にとって無上の喜びがどこにあるかを直感する。それをつかまえることです。その先がどうなるかは、だれにもわからない。自分のことは自分で見極めるよう努力することです。
モイヤーズ 先生がご自分の至福を知ったのはいつですか。
キャンベル そうですね、子供のときでした。私はまっしぐらに生きて、だれの干渉も受けませんでした。家族は私がほんとうにやりたいと深く望んでいることをするようにと、常に助けてくれました。私は、人生に問題があるということにさえ気づきませんでした。
モイヤーズ 私たちは親として、どうしたら子供たちが自分の至福を見つけるのを手伝えるんでしょう。
キャンベル 自分の子供をよく知った上で、注意深く見守ることです。手助けはできますよ。私は、セイラー・ロレンスで教えていた頃、学生のひとりびとりと少なくとも二週間に一回、30分かそこら話あったものです。学生が読んでいるはずの本の話などしているうちに、突然、その学生が真剣な反応を示しているものに突き当たる。
すぐわかるんです。目がパッと開いて、顔つきが変わる、人生の可能性がそこに開けたわけです。
私は心のなかで、「この子が途中で投げ出さなければいいが」と祈るだけです。投げ出すかもしれないし、投げ出さないかもしれない、しかし、もし投げ出さずに食いついていくなら、その子はその部屋で自分の人生を見つけたことになります。
この「はっとする瞬間」というのは、なかなかことばにしづらいですが、わたしにも経験があるし、こどもたちもこうした反応をすることがあります。
たくさんありすぎて、その中のどれなのか、という問題はありますが....。
でも、そうした瞬間を見逃さず、その子自身がその喜びを追求することを邪魔しないということ、教育ってそのひとことに尽きるのかなと思ったりします。
- 作者: ジョーゼフキャンベル,ビルモイヤーズ,飛田茂雄
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