「ポーラをさがして」
小学校中から上級向けとなっていた本です。
童話館から来るお知らせでこの本のことを知り、気になって読んでみました。
塾通いをしている2人の女の子が中心となって、特に主人公のショーコの日々の思いがきめ細かく描写されています。
思春期特有のざらっとした気持ち、どこかにある本当のことを求めて年上の人の話を聞いたり塾の先生と話したりしたくなる気持ち。
いままで慣れ親しんだ幼馴染のグループを一歩抜けて、また違ったタイプのカナと関係を深め、自分の世界を広げていく様子。
困った状況にいる友人を助ける、という行動は、実際にはことばでいうほど美しくも簡単でもないのですよね。時に友人への嫉妬の気持ちだとか、自己満足に陥りそうになる危うさを伴って、自分が果たしていいことをしているのか悪いことをしているのかも見失いそうになる、そういうものだとおもいます。
そうした心情の移り変わりがリアルにうつしだされていました。
小学生高学年くらいでこの本に出会えたら、本の登場人物と一緒になっていろんなことを感じたり考えたりして、共に成長できるのではないかと思います。
こどもが大きくなったら読めるように、買って家に置いておきたい本です。