チャンスを生かす
今回の内容はこの記事から続いています。
さて、硬直化した人たちが世の中の大多数になって、その中で硬直化したお母さんが子育てをしている状況を想像してみてください。
みんな一生懸命、みんな善意でそんなに悪い人ではない、なのに実際には窮屈な状況が生み出されてきます。
例えば、電車で幼児が癇癪を起こす、泣き止まない、という場面。みんな困ったと思っているし、なんとかしなきゃ、と思っている。(実際にはいろいろなパターンがありますが例としてシンプルに想定しています)
硬直した人のやり方としてはこんな感じです。
まわりの大人→なんとかしろ、けしからん、と母親を責める(なんかうるさい、なんとかしてほしい、でもこどものことなんかわからないからどうしていいかわからない)
母→子どもを怒鳴る(困っている、どうしたらいいかわからない、それで怒鳴らなければ、おもってしまう)
特に母親の側からすると、こんな状況になったらまわりに気を遣って、あせるし、恐怖も感じるし、硬直してしまいがちですよね。
でも、たとえば孫がいるくらいのおばさまがのりあわせていたら「あらあら大変ねー、いないいないばあ」とかしてくれるかもしれない。たぶん時間にも気持ちにも余裕があるでしょうし、一気に場がなごんだりしますよね。
たぶん他の人もリラックスして柔軟に考えてみれば、いろんな選択肢があるはずです。
母親がだれとでも仲良くおしゃべりできるタイプの人なら「もうこの子、癇癪がひどくて困ってるんです」とざっくばらんに周りの人に話しかければ「そうなんだ、大変なんだな」と初めて気がつく人もいるし、「こうしたらいいわよ」と教えてくれる人もいるかもしれないし。もう電車降りちゃってもいいですよね。周りの人で例えば頭痛がひどくてこどもの泣き声が辛い、とかだったらその人が他の車両にうつったり一本遅らせてもいい。少なくとも、お母さんも大変なのかもしれない、と想像してみることもできます。
また、電車やバスの車掌さんがなにかしら声をかけて配慮を示すということも可能ですね。(先日、泣き止まない赤ちゃんを連れたお母さんに、心配しなくていいですよ、とアナウンスを流したバスの運転手さんのことが報道されていました。)
いままで「こうせざるを得ない」「仕方がない」とおもっていたことも、それぞれが硬直化した反応をやめることで、状況を変えることができるってなんだかすごいとおもいませんか?
わたしの好きな本で「チャンスを広げる思考トレーニング」 ロザモンド・ストーン・ザンダー、ベンジャミン・ザンダー著 という本があるのですが、(いまは絶版で、タイトルの違う新版がでています。「人生が変わる発想力」 パンローリング社 ↓ こちらです。)
あれもだめ、これもだめ、という八方ふさがりに思える状況を創造的に解決するための発想の転換のやり方が紹介してあります。
目次を紹介するとこんな感じです。
可能性を実現する12の手法
1 全部作り物
2 可能性という宇宙へ
3 みんなにAを
4 貢献する
5 誰もがリーダーになれる
6 規則その六
…続く
最初のところにはこんなエピソードが紹介してあります。
「靴会社がアフリカのある地域に2人のマーケティング調査員を送り、進出先として有望かどうかを調べる。1人が打ったのはこんな電報。
「絶望的。誰も靴を履いていない」
もう1人は意気揚々と報告する。
「すばらしい商機。誰も靴を履いていない。」
物事の捉え方をちょっと変えるだけで、いろんな可能性が見えてくることを端的に表しているエピソードだとおもいます。
こうだからこうなってこうなって…と最終的に悲観的な結論に陥るロジックのチェーンのどこかの輪を替えたら、結論はきっと変わってくるとおもうのです。
それは枠組みを変えることかもしれないし、自分の考え方かもしれないし、まわりの反応かもしれないけど。
困ったなあ、という状況に、柔軟に、クリエイティブに、自由に対応を考えられる大人がどんどん増えて多数派になれば、学校も会社も社会も住みやすくなりますね。
やり方は人それぞれだし、立場も方向性も適性もいろいろあるとおもいますが、
それぞれができることをやって少しずつ世の中がよい方に変わっていったらいいなとおもいます。