「ユダヤ人が語った親バカ教育のレシピ」
ふと読んでみたこの本がなかなかよかったです。
- 作者: アンドリュー・J.サター,ユキコサター,Andrew J. Sutter,Yukiko Sutter
- 出版社/メーカー: インデックスコミュニケーションズ
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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拡充学習やってみたいけど、やり方がよくわからない、という人にもおすすめします。
そうした自由な学習をすすめる上で前提とされているんじゃないかとおもう大事なことがたくさんでてきます。
こどもを信頼する
こどもに親の期待する進路を押し付けない
こどもが自分でやりたいことを見つけてハッピーに生きることを後押しする
などなど。
7つのレシピとして紹介されている原則は以下のようなものです。
レシピ1 本をあげよう!本でいっぱいの本棚を見せよう
レシピ2 とにかく観察
レシピ3 見せる、体験させる、感動させる
レシピ4 子供をのびのび優秀にする3つの言葉
「よく思いついたね!」「どう思う?」「いっしょに答えをさがそう」
レシピ5 言葉と態度で「信じてるよ」を示そう
レシピ6 「あなたがボス」を忘れずに!
レシピ7 時期が来たら、親離れをさせよう!
特におもしろいというか「そうそう」と思ったのは、こどもが興味を示したな、という方向を発見したら、その少し先に道を作ってやる、というところ。
拡充学習でも大切にしたい部分ですね。
少し先に道を作ってあげてサポートすることは必要。だけどその先はどっちに進むか決まってないのだからあまり先までぎちぎちに道を作ってしまったらこどもを縛ることになってしまう。
だからこどもの様子を見て調整しながら、ちょっと先、ちょっと先に道を作っていく。
なにからなにまでこの本の通りにしなくちゃというのではなく、実例として参考にしつつ、エッセンスを心に持ちながら子育てしていくといいのではないかとおもいました。
「モアナと伝説の海」
ディズニーの新作アニメ映画「モアナと伝説の海」を見てきました。
テーマからいったらもっと深い内容でもよかったかな、とちょっと思いますが、影響力のあるディズニーが、いままでの白人の細いプリンセスが恋愛する流れからポリネシア(ハワイ、フィジー、ニュージーランドのマオリなど)の文化を大幅に取り入れ、かつ破綻してない映画を作ったというところで素晴らしいチャレンジです。
主人公の女の子、モアナと島の自然や海とのふれあいも美しい映像で描かれ、またモアナが葛藤しながらも自分の意思で海へ航海に出るというストーリーは、女の子がジェンダー(女の子は女の子らしく、というような伝統的価値観)にとらわれず、やりたいことをやるんだ、というイメージを持つのにぴったりです。
主題歌「どこまでも~How Far I’ll Go〜」がまた素晴らしいです。覚えてこどもと一緒に歌いたいです。
いろいろな意味で「アナと雪の女王」があれだけヒットしていまでもこどもに人気、ということを踏まえて製作された映画なのではないかとおもいました。
アナと雪の女王では、白人、プリンセスというディズニーのプリンセスストーリーの王道を引き継ぎながら、エルサという魅力的なキャラクターを作り出したというのが革新的でしたが、それが受けたことでそっちの方に大きく舵を切ったのかなとおもいます。
また、アナと雪の女王でもサーミ人という北欧の少数民族の歌が印象的に使われていました。
エルサがあれだけたくさんの人の共感を呼んだことには自分なりに思うものがあります。エルサの持つひっかかりの部分が現代を生きるたくさんの大人やこどもの中にあるものだったんじゃないか、その歪みを跳ね飛ばして自分らしく生きようと力強く歌うエルサにみな共感したんじゃないか、と感じています。
エルサの持つ「なんでも凍らせる力」という、いい方向にも悪い方向にも使える力を、小さい頃アナを傷つけてしまった事件をきっかけに、両親が悪いものだと捉え、隠し、抑える方向で問題解決してしまったため、両親の死後もエルサはその思い込みにとらわれ、その力を隠し続け、そのために妹のアナともコミュニケーションをとれず孤独に悩み続けます。エルサが女王になる戴冠式の晩についにその脆く危ういバランスは崩れ、隠し続けてきた力は解き放たれ、人々の好奇の目に追われるように山に向かい、あの「Let it go」という歌になる。わたしは街や城を離れて山で自由に好きに生きて行く、この氷の力と共に、という感じでしょうか。
こどもが本来持っている特性はいいもわるいもなく、どちらにも使えるものです。でもいま大人が底の浅い価値観で判断し、見栄えのいいこと(学校の成績がいい、スポーツができる、明るくはきはきとしている、強くて手がかからないなど)以外は否定して認めない風潮が広くあるのではないでしょうか。たくさんのこどもがなにかおかしいなあと思いながら、窮屈だなあとおもいながら生きている。
公開当時、公園であの歌を1人で歌っている小学生高学年くらいの女の子たちをよくみかけました。いまの自分は本当の自分じゃないと感じていて「ありのままに自分の力を解放しよう」と歌うエルサに共感するこどもや大人がたくさんいるのではないかと思いました。
モアナではそれほどの親の無理解や抑圧があるわけではないので、アナと雪の女王のような、現代のこどもに共感されるわかりやすいひっかかりがあるわけではありません。
だけど危ないから近付いてはいけないといわれている海にどうしようもなく魅かれる気持ち、そこになにかあるという直感を信じて、また村の危機を救うために、反対を押し切ってたったひとりで航海に乗り出すモアナの姿は芯のところでエルサと通じているような気もします。
子育て中の親としては、あんな風に親のいうことに逆らってでも自分を信じて行動できるように育ってくれたら本望だなとおもいます。
というわけで、アナと雪の女王のようなわかりやすいひっかかりがない分、それほど興行成績は上がらないかもしれませんが、とてもいい映画です。
わたしの好きな深さを持ったアニメ映画はミシェル・オスロ監督というあまり知られてない監督さんの作品なのですが、それもまた機会があれば紹介したいです。
「メグさんの女の子・男の子からだBOOK 」
性教育はわたしにとっては苦手分野で、おおらかにそういう話をされているお家をうらやましく思うのですが、性の知識がある方が性犯罪に巻き込まれるリスクも減るという話を聞き、苦手とかいってる場合じゃないとおもい、いろいろ探してみました。
性に関してタブー視していると、何か問題あった時、困った時に親に相談しにくい、それはまずいということはわかるのですが、ではどうやって伝えたらいいのかというのは悩みます。
調べてみるとたくさん本が出ています。ただ、自分の好みに合うものはなかなか少ないですね。本当にこれは理屈じゃなくて「これは勘弁して」と思うものと「これなら」と思うものがあるのですが、そのチョイスは人によって全然違うとおもうのであれこれ見比べるしかないかもしれません。
- 作者: メグヒックリング,キム・ラフェイブ,Meg Hickling,Kim La Fave,三輪妙子
- 出版社/メーカー: 築地書館
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
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こちらの本は、まず、絵がいいですね。それから内容もいいですね。科学的というのでしょうか。へんに恥ずかしがらず必要な情報を伝える態度が好ましいです。
作者のメグ・ヒックリングさんはアメリカやカナダで長年性の健康ワークショップを開いているそうで、そのワークショップがそのまま絵本になっています。
小学生の上の子は読んであげたら気に入り、時々自分で読んでいます。
下の子にはまだ難しかったようで、後日こちらの絵本を図書館で借りてきて読んであげました。
アンパンマンのやなせたかしさんが絵を描いていて、入りやすいようです。
なぜなのママ?―3歳からの性教育絵本 (3歳からの性教育の本)
- 作者: 北沢杏子,やなせたかし
- 出版社/メーカー: アーニ出版
- 発売日: 1988/06
- メディア: 単行本
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はだかんぼうだ、ラン・ラ・ラン。
おとうさんのおちんちん、大きいな。
おかあさんのおっぱい、大きいね。
なぜなの?
わたしとぼく、どこにいたの?
こんな具合で、絵も文も幼児には受け入れやすい内容だと思います。(といっても人によって感覚が違うかもしれないのでご注意ください)残念ながら絶版のようですが図書館で探してみるといいかもしれませんね。
こどもをほめられない、愛情表現ができない
こどもはかわいいのにうまくその気持ちを表現できない、ほめることができない、ほめかたがわからない、自分自身親にほめてもらったことがない、という話を聞くことがあります。
もしそうだとしたらその人にとって子育てをするのがとても辛い状況ではないかとおもいます。
ほめる、ということの前にたぶん、ありのままのこどもに対して「それでいいんだよ」と思えることが必要でしょうし、その前にありのままの自分にたいして「それでいいんだよ」といえることが必要なのでしょう。
わたし自身、思春期や20代の頃は親やまわりの大人に対してたくさんいいたいことがありました。それはあなたたちの子育てのやり方がだめだったからわたしはいまこんなに辛いのだ、ということだったし、もっと上手に接してくれていれば、わたしはもっと幸せになっていた、ということだったとおもいます。
虐待が連鎖することはよく知られていますが、もっと微妙な愛情の欠如とか、愛情はあってもそれを表現できないために伝わらないことの悪影響とかそういうものはわりと身の回りにあるのではないでしょうか。
そうしたことが原因で心に空いた隙間が、自己肯定感の低さとなってあらわれる、そしてそうした人同士で力の強い方から弱い方へ暴力やハラスメント(程度はいろいろでしょう)が起こる。そういうことではないかなと考えました。
ひとりひとりが「自分ってこの世にひとりしかいない貴重な存在なんだ、だから自分も他の人も大切に扱われて当然」という意識でいれば、暴力を振るうことも、振るわれることを許すこともないはずなんですよね。
わたしの場合は、ある日自分が、親のことに限らず「そうせざるを得ない。それはわたしのせいじゃない。」と因果がぐるぐるまわる宇宙の中でぶつぶつ文句をいって不本意な人生を生きていると気づいて、それでいいのか、とふと思いました。
もしかして、自分がどう生きるかどうか、幸せに生きるかどうかは自分で選べるのではないか。暴力が連鎖し、強いものから弱いものへしわ寄せがいき続ける世界ではなく、幸せが連鎖し、愛が連鎖する世界にわたしは生きたい、と思い、とにかくそうしよう、やってみようと決意しました。
ただ思うだけの状態から、行動がついてくるまで試行錯誤はあったものの、幸せを掴むための選択を積み重ねて、いまの自分があります。
少なくとも食べるのに困ってないし、家族がいて、こどもに対して「そのままのあなたでいい、あなたはそのままで素晴らしいよ」と思えるし、自分に対してもパートナーに対しても「いろいろあるけどなかなか頑張っているね、よくやってるね」と思えるいまの状態は、10代、20代の自分からするともう理想の幸せな自分を生きてるといってもいいとおもうのです。
いま子育てしていて、精神的に辛いきもちがあり、愛情表現がうまくできないという方は、これはチャンスだとおもって、自分を癒すことをぜひやってみていただきたいです。辛い気持ちを癒してありのままの自分をいいと思えることができるようになれば、少しずつでもありのままのこどもの姿を許し、認め、応援できるようになります。愛情を表現できるようになります。
本当に辛い時はなにをやっても無駄に感じるかもしれないし、自分が変われるとはなかなか信じられないかもしれません。でも自分の経験からいうと変わることは可能です。そして自分が変わると家族やまわりの人との関係も変わってきます。
目の前のこどもはいまこの瞬間、無条件の愛を必要としています。
こどものために、とおもって勇気を出して一歩踏み出してみていただきたいです。
「なにかができるようになること」と「こどもの喜び」がつながっているか
またまた増田修治さんの記事の紹介です。
増田さんが学校で担任を持っていた時、逆上がりができない子がいて、時々一緒に練習していたそうです。3週間後、ついに逆上がりに成功。その時その子は大喜びしたそうですが、その後ほっとした表情で「もう逆上がりの練習は終わりだね」といったのだそうです。
正直、私はすごく大きなショックを受けました。B子は、できたことの喜びよりも、これ以上練習しなくて良いということの方がうれしかったのです。
これ以来、運動に限らず学習においても、「できることが、子どもの喜びにつながるには何が必要なのだろうか?」と考えるようになりました。そして、子どもが本当に求めているものは何なのかを考えるようになっていきました。
わたしも日頃こどもの宿題を見たり、走る練習につきあったりすることがありますが、親はついつい「できるようになるのがいい」と思ってしまいます。もちろんできるようになる方がいいし、子ども自身できるようになって嬉しいきもちもあるとおもうのですが、こどもの気持ちがそこについてきているか? ということを気にしてあげないといけませんね。
そして何より大切なことは、子どもの「快情動」を引き出すことです。ここ最近、「情動の教育」ということが言われています。つまり、「やりたい」「できるようになりたい」「練習すること自体が楽しい」という「快情動」と一緒に学んだ事の方が定着率が高いことがわかってきました。
逆上がりだけに集中せず、一緒に「豚の丸焼き」(鉄棒に両手両足でつかまる)や足だけでぶら下がって手を着くなどの面白い動きを途中で入れながら教えていくことです。鉄棒運動そのものが面白いことを、まず教えていくことが大切なのです。「この鉄棒遊び、楽しいね」と思わせながら、逆上がりを教えていくことです。
くれぐれも、「なんで教えてもできないんだ」とイライラせず、子どもと一緒に鉄棒を楽しむ。その結果、逆上がりができたらもうけものぐらいの気持ちを持つことが大切なのです。
まず最初に親のやらせたいことではなく、こども発の「これやりたい」という気持ちを尊重してなにをするか決めること、そしてこどもが楽しめているかどうかを大切にすること、成果は期待しすぎずおまけとおもうくらいにすること、というのはわたしも日頃気をつけている点だったので、本当にそうだなあとおもいました。
いまのところうちのこどもたちはその作戦でうまくいっています。自分でやりたいといって始めた習い事は続いているし、モチベーションも高いままです。また、習い事以外の時間にも自分からやりたいといってやっています。練習とかそういうことではなく、楽しいからやる、好きだからやる、やりたくないことははじめからやってないという当たり前といえば当たり前のことですが。まわりの話を聞いても、親主導ではじめた習い事が合わなくて、毎回行きたくないという、やる気のない態度を見せる、続かないなどの話を聞くことがあります。うちは、例えば学校の勉強や宿題なんかはやりたくなくたってやらなくちゃいけないわけなので、それ以外はできるだけ好きなことをさせてあげたいなあという考えです。
習い事だけでなく勉強とか走ることや逆上がりなど、いろいろなことに通じる話ですね。
親がこどもにこれをしてほしいなあ、マスターしてほしいなあ、と望むことと、こどもがこれやりたい、楽しいという対象が必ずしも一致しない時もありますが、その中間に「親子で楽しむ」というモードがあるのかなとおもいました。
昔父親に数学を教えてもらっていて、だんだんわたしがわからなくなってくるとひたすら怒られてるだけになって、でもわからないものはわからないままで、ただただ情けなく悲しかったことをおもいだします。いまとなってはほろ苦い思い出です。
小学生が人間関係を学べる本
この「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズは、マンガで読みやすいこともあり、上の子のお気に入りです。
この子は幼稚園年長、小学1年から2年と、なにかとお友達とのやりとりで「あの子にこんなこといわれた」「うそつかれた」「あやまってくれない」というような悩みを話してくれることが多く、最近はまた新しいクラスの人間関係に悩んでいるようでもあるので、夫と相談の上、この友達関係の3冊セットをプレゼントしてみました。
【特製シール入り】学校では教えてくれない大切なこと 友だち関係 特別3巻セット
- 作者: 旺文社
- 出版社/メーカー: 旺文社
- 発売日: 2016/07/20
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「自分と仲良く」「気持ちの伝え方」「考え方の違い」の3冊がセットになっているものです。
例えば「自分と仲良く」の最初の章の内容はこんな感じです。(目次より)
自分をよく知ろう
人と違っていいんだよ
失敗してもだいじょうぶ
自分を大切にできると人も大切にできる
生きることは心を通わせること
心の世界へいざ出発!
とりあえず、喜んで読んでいます。ユーモアを交えて書いてあるところもツボのようです。
ただ、まだ低学年では中身をよく理解して実際に行動に移すのは難しいと思うので、わたしも時間のある時に読んでおいて、なにか相談された時に「そういえばあの本にこんなこと書いてあったね」と教えてあげたり、中身について話し合ったりできたらいいかなと考えています。
こどもって側で見ていると、いろんなことで悩んだり、失敗したり、友達とトラブルになったりケンカしたり、という一見ネガティブなことと、新しいことにチャレンジしたり、ひとつできることが増える、大事なことに気がつくといった成長が本当に裏表というか、同時進行でセットになって進んでいくんですね。
自分の子もそうだし、その周りにいる子たちもみんな、いろんなことを経験しながら学びをしている最中なんですよね。
うっかり人を傷つけることばをいってしまったり、うっかり自己中心的な行動をしてしまったりしても「それはよくないことだったね」と振り返りつつ、それだけで悪い子、ダメな子、と決めつけないでその子の成長する力を信じて、その力を伸ばすお手伝いができたらいいなとおもいます。
これから小学3、4年、5、6年とどんどん友達や先生といった家の外の人間関係が大事になっていくと思うので、上手にサポートしていけたらと考えています。
繰り上がりと繰り下がりの計算練習
上の子が宿題をやっているのを何気なく見ていたら、1年の復習で繰り上がりと繰り下がりの計算問題をやっていたのですが、なんと、わからなくなっていました。
がーん。
春休みなにもしなかったから忘れたのか?それともそもそもよく身についてなかったのか?
困った時は虹色教室。
こちらの記事を参考に、アイストレーとカラフルな丸いクリップを用意しました。本人、色がきれいだとやる気が出るタイプです。
プリントを用意してこれを使いながら問題を解いたら、スムーズにできたのでほっとしました。
「どうして昨日はできなかったんだろうねえ?」と聞いて見ると、「うーん、◯◯は図で考えるとわかるタイプなんだよー」とのこと。そういう問題なのかなあ?
とにかくしばらくこれを使って練習してみます。
本人は「わー、これでマンカラゲームができるんじゃない?」 と喜んでいました。